Flotsam Books in Noah Clubhouse feat. Vanishing Point Kanade Hamamoto Photo Exhibition.
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Dec 21, 2022

Flotsam Booksを始めたきっかけ
就職氷河期の世代で工場くらいしか就職先がなく、賢い高校ではなかったので高校を卒業してフリーターとして書店でバイトを始めました。 高校生の頃からいつか本屋をやろうと思っていましたが、若い頃は口だけで特に何も行動はせずフラフラしていましたが、15年くらい前 からインターネットの環境が良くなり、オンライン上で簡単にお店が持てるようになったので、それを機にFlotsam Booksをオンライン ショップとしてスタートしたのがきっかけです。 当時はまだ書店で働きながらオンラインショップを運営していたのですが、売上も少しづつ伸びてきていたタイミングで会社を退職し、 独立しました。 独立したと言ってもお金もなく店舗も無いので、その日暮らしでしたが、3年前に友人で写真家の山谷祐介くんが今の物件を見つけてきて くれて、半ば強制的にFlotsam Booksの実店舗がオープンしました。

ポップアップイベントの経緯
3~4年前にJOURNAL STANDARDでLABRATのPOP UPがあって、その時に本のセレクトをして欲しいという依頼があり、その仕 事を通してNOAH JAPANの現ディレクターの中根さんと初めてお会いして、お仕事をさせていただいたのが出会いのきっかけです。 そのPOP UPの時にお互いのInstagramをフォローし合っていたので、中根さんが新しいブランドに携わっていることを知り、NOAH というブランドを知るようになりました。 中根さんとは定期的に連絡を取り合っていて、一緒に何かやりたいねと話してはいたのですが、Flotsam Booksの店舗もオープンした ばかりで忙しく、その間にコロナが流行してお店も一時的にクローズしたりとタイミングが合わずでしたが、この間、急に中根さんから 連絡がきて今回のイベントのお話をいただきました。
今回の本のセレクトに関して
なにも情報がないと当たり障りのないセレクトになってしまうので、ある程度NOAH側に方向性を決めてもらって、それにFlotsam Booksらしさを 加えたセレクトなっています。 NOAHというブランドのコアな部分でもある音楽やファッション、アートを中心にセレクトしていますが、今注目されているアメリカのフォトグラ ファーの作品であったり、名作と呼ばれる写真集なども一部セレクトして、NOAHらしさをセレクトで表現できたらと思っています。 今回は写真家の濱本奏さんの展示もあるので、お互いがリンクできるような作品も用意しています。

お二人の出会い
小林さん:原宿のロケットで奏さんが展示をしていた時から名前は知っていました。 年齢が若いのにセレクトする本が年齢をはるかに超えているというか、実年齢にプラス10歳した感覚ですかね。 やはり面白い本を買う人は本人の作品も面白いと思いますし、周りにいる人も面白い人が多いと思います。 当時はまだ奏さんも写真だけではなく、バイトもしていたので店番をお願いしました。 うちのバイトっていっても特にやることは無く、座ってるだけでいいので。
濱本さん:知人の方々からFlotsam Booksのお話は聞いていたのですが、実店舗があることは知らずに、2020年にFlotsam Books の店舗がオープンしてすぐの友人の個展の際に一緒に自分の本を持ってきたのが最初ですね。 ここには面白い本が集まっていて、私が1番好きな写真家ボリスミハイロフの写真集がすごく安い値段で置いてあって、あまり他では売っ ていなかったのでびっくりしました。 それから自分の本を作るためのリファレンスを探してるうちに普通に本を買いに鎌倉から2時間かけて通うようになり、通っては散財 してを繰り返していたらお店番を任されるようになりました。

写真を始めたきっかけ
15~16歳の時の引っ越し作業中に、両親が昔使っていたホコリだらけのインスタントカメラが出てきて、デジタルでしか写真を撮ったことがない世代からしたら、これはなんだ?みたいな興味から現像に出してみたら、全部の写真がピンクがかって褪色した写真ができあがって、見たままに映らないっていうのがアナログでできるのが面白いなと思って、現像したお店でそのままフィルムカメラを買ったのがきっかけですね。風景や人物も撮りますが、綺麗な写真を普通に撮れても自分が見たままなので普通に感じてしまうとというか、見たままに映らないっていうところに惹かれるので最初の作品も壊れたカメラで撮っています。見えていなかったり、感光していたりボケてる写真の方が色んな記憶の保管ができるのと、記憶の形自体が変わってることと写真の関係って面白いなと思っていて。ある時に記憶を忘れるのが怖いなと思う時期があって、記憶を無くした状態で生きてるのってほぼ死に近いんじゃないかなと思うようになって、自分が忘れても写真が残ればいいなという気持ちで写真を撮り続けています。

NOAHで展示する作品について
最初に展示のお話を伺ったときに海がブランドと密接に関係していると聞いていて、私も海が大好きで、海の近くに住んでいるの で、自分が制作している作品の中からいくつかNOAHにマッチしそうな作品をセレクトしました。 私自身ずっと続けている作品があって、廃墟での作品作りなのですが、車で走っていて直感で展示がしたくなったら、最寄りのコ ンビニに行ってプリントアウトをして廃プールや解体中の海の家にA3やA4を張り合わせて巨大な作品にしていくっていうことを やっていて、それを今回もできたらいいなと思っています。 NOAHのアートウォールはすごく大きいので、小さいプリントを何枚も重ねて1枚のコラージュ作品に仕上げていくイメージです。 私自身のアーカイブは今まで展示をしたことが無かったのですが、今回はA2,A3,B4の小さいサイズで額装して展示をします。
