NOT DEAD YET! with Enzo
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Aug 17, 2023
円造 テキスタイルデザイナー 東京都生まれ。
廃棄される残反や端材などを利用して古い手織り機を用いてラグを制作している。
洋服の廃材などを組み合わせている為、様々な色が混ざり合って立体感のある仕上がりとなっており、全て一点ものとなっている。

2021からスタートしたアップサイクルプログラム”NOT DEAD YET!”の第4弾としてテキスタイルデザイナーの
円造さんとコラボレーションすることになりました。8/18からNOAH ClubhouseにてNOAHのために制作していただいたラグを店内のアートウォールに展示します。同時にキッチンマット、バスマット、コースターも販売いたします。

今回は都内にある円造さんのアトリエを訪れて、 活動の経緯などをうかがいました。
今の活動に至るまでの経緯は?
文化服装学院のテキスタイル化に在学中に生地に興味を持つようになって、そこから生地というものにハマり出して、本格的に生地について学びたいと思い山梨の生地工場に就職しました。
その工場では前日に織った生地が商品化されずに廃棄されたり、捨てなければいけない端材が多いことに気づいて、単純に”もったいない”なと思っていました。
日本には江戸時代から裂織りという文化があって、古くなった着物をもう1度織り直して再利用するという文化があり、そこに共鳴しました。
僕が”もったいない”という感覚を抱き出したのは幼少期からで、僕の父親はよく物を捨てる人で、洋服もその1つでした。
その父親の行動を幼心に疑問に思っていた記憶があり、潜在的にそこがベースにあって今の活動を始めたのかもしれません。
ラグを織るきっかけは?
学生の時に織り機を使ってマフラーなどを織っていたので、織り機という存在は身近にあり、生地工場を退職した際に手織りで何か作ったら面白いんじゃないかなと思い、ヤフオクで織り機を購入して興味本位でラグを織ってみようと思いました。その当時、ラグを織るための生地を集めていた時に文化服装学院の恩師に連絡したところ、無印のリプロダクトの企画があるから参加しないかと声をかけていただきました。
当時の新宿の無印は自分たちのプロダクトを回収して再利用するという取り組みを行なっていて、その企画に文化服装学院の生徒も参加していました。
僕は卒業していたのですがその企画に参加することになり、紺色の生地だけを集めて、父親が使用していた無印のベットカバーと組み合わせて最初の作品を織りました。
最初の作品だけあって糸の密度も甘く、今見返すととても販売できる作品ではないなと思いますが、僕にとって意味のある作品になりました。
NOAHとの取り組みの経緯は?
コロナ禍にひっそりと自宅の物置からラグの織物をスタートさせたのですが、毎日のように遊びに来ていた友達が、僕の制作風景を何気なくInstagramに投稿したところ大阪のお店からPOP UPの声がかかり、その大阪でのPOP UPの際にNoah Japanのマネージャーと知り合うきっかけがあって、そこからNoah x Vansのコラボのローンチのタイミングで取材していただき、僕の活動に共感していただけて今回の取り組みのお話をいただきました。
NoahもNot Dead Yet!というアップサイクルのプロジェクトをやっているのを知っていて、昔から好きなブランドだったので今回コラボさせていただけることに自分自身がびっくりしています。

今後の活動は?
もともと生地自体に興味があったのでオリジナルの生地の企画をしてみたいです。
そして、その生地を友達のブランドに使ってもらえたらいいなと思っています。ラグの制作に関しても今はベーシックな平織で、織り機のペダルを4つ使用していますが、最大でペダルを12個まで増やせるので、もっと複雑な柄をデザインしたり折り方を変えるという表現にチャレンジしてみたいです。